株式会社飛騨山味屋 代表取締役社長 長岡俊輔様

 今回は「漬物 長岡屋」で有名な株式会社飛騨山味屋代表取締役社長 長岡俊輔様にお話しを伺いしました。株式会社飛騨山味屋は記録が残っているだけで大正9年、おそらくそれ以上前からお漬物やお味噌の販売をしてきた100年企業。飛騨高山のお土産と言えばお漬物、お漬物といえば山味屋さん!と言われる程人気の“飛騨の味”を提供し続けています。

飛騨・高山の魅力は?

 『きれいな環境』と『独自の文化』だと思っています。
 “きれい”というのは道や川にごみが落ちていなくて清潔という意味です。観光エリアだけでなく市全域が比較的きれいなんです。タバコの吸い殻や団子の串なんかもほとんど無く、歩いていても落ちているごみに目がいくことが少ないです。高山は様々な人が行き交う観光地ですが、元々の町がきれいなためかゴミを道端に捨てていく人はめったにいないようです。もし団子の串が落ちていても、見て見ぬ振りということが無く、気づいた人が回収してくださっています。町並みを見ても空き家が放置されている様子もないですし、住宅街でも玄関先や人の通るところに気を使っていて、気持ちの良い環境だと思います。「高山は空気が違う、気持ちがいいよ」とみなさんに言っていただけますが、高山住民の環境意識の高さも町の空気感に表れているのではないでしょうか。
 “独自の文化”は幕府直轄地だった時期が長かったため、政治文化の中心地から常に最新の知識や流行が高山に伝わってきたようですね。そんな中でも高山の“めでた”(唄)の宴会の作法は高山独特のものとして発展し、今では珍しい風習になっていますよね。唄っていると「まとまり感、連帯感」を感じて自分たちも気持ちいいものですよ。他所から来てくださった方に「いいな~、こういうのがあって」と羨ましがられることが多くて「これってカッコいいことだ」と誇りに思うようになりました。実は若い頃東京から帰ってきた時はなんだか古臭いなぁと思っていましたが・・・今は違いますよ(笑)。飛騨高山の生活に根差した“生きた文化”はとても魅力に思っています。

今力をいれていることはなんですか?


くるみよせ

 従来からの『赤かぶ漬け』などの漬物製造と併せて“和菓子”というジャンルの新しいチャレンジを始めました。高山では毎年「栗よせ」という小豆だけで栗を寄せて作った生菓子が、秋だけの期間限定で市内の和菓子屋さんで販売していて、通の方は毎年買いに来られています。そのお菓子と似ていますが当社では通年の商品として“くるみ”を小豆で寄せたものを作りました。寒天を使っていないので羊羹ではありませんね。お土産に喜んでいただけるようにある程度の日持ちと、しっとり感を出す事にチャレンジしています。お土産物からその土地が有名になることもありますし、少しでも地元の役に立てたらと新商品の“くるみよせ”には期待をしています。


観光で高山へいらっしゃる方へ一言お願いします。

 高山にはベンチが至る所にありますのでベンチに座ってゆっくりと景色を眺めてみてください。特に城山の方をおすすめします。自分も店の前のベンチに座って「ぽけ~」っと座りますけど、すごく気分が落ち着いてくるんです。何だかスカッ~とするんですよ。そして、町全体にゆったりした時間が流れているのを感じてみてください。みなさんは日頃忙しく過ごされていると思いますから、せっかく高山まで来られるなら、わざわざゆったりするための時間を作ってみてください。きっと落ち着きますよ。心の安らぎが高山の旅行をより楽しいものにしてくれます。


  • 株式会社飛騨山味屋
  • 住所 岐阜県高山市西之一色町3-8 
  • 0577-34-4666 / FAX:0577-34-8221
  • http://akakabura.com

飛騨山味屋直営店 長岡屋


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