株式会社ファミリーストアさとう 代表取締役社長 佐藤祐介様

2013年「マツコの知らない世界」(TV番組)にて飛騨のお惣菜「あげづけ」が紹介され、飛騨食材のインターネット販売を手掛けていたファミリーストアさとう様に 16万件もの注文が殺到。東京の人の反応が“これほどか”と驚いたというお話から伺いました。
飛騨食材のヒットがきっかけで『外から観る飛騨』を知りました。「なんだ、原石はここにあったのか」と、とても身近なところで宝石を見つけた気持ちになりました。

飛騨高山の魅力は?

 魅力はやはり『食文化』です。TVを通して飛騨の家庭の食文化がヒットしたわけですが、あれが“作られた名物”だったら、きっとこんなにヒットが続いていないと思っています。  昔からから飛騨は“焼く”文化なんですよ。「寒い土地だから鍋では?」と思いますが、例えば、けいちゃん、漬物ステーキ、豆腐ステーキなど、実は焼くものが多い。
 私が幼い頃は囲炉裏こそありませんでしたが、ストーブでは漬物を焼いたりネギを味噌で焼いたりと、とにかく全部焼いてました。飛騨には鍋に入れて炊くような食材がなく、 大豆で加工した豆腐とか漬物ばかりで、言い方は悪いかもしれないけど“粗末”だったんですよ。
例えば漬物は秋に漬けこみますが1月~2月はシャリシャリに凍っていて少し酸っぱくなっている。それを焼いて温めてから食べることでおいしくする。さらに言えば漬物を煮る『にたくもじ』というのもあります。
 “限られた食材をなんとかおいしく食べるよう”と発展してきた。そんなところから飛騨の食文化は来ていると思います。それが現代まで引き継がれ、今改めて魅力に思っていただけて いるのだと思います。決して当社が特別戦略的に仕掛けたわけではありません。今まで地元の皆様が、地元の食材を買い続けてくださっていたから地元食材の品揃えでやって来られたわけです。 そして私たちスーパーは、地元の皆様の食卓に喜んでいただけるものを提供してきただけのことでした。
 そう考えると、「地元の方が喜んでくれる事」こそが、「他所からのお客様にとっても価値がある事」になっていきます。この順番は絶対に間違えないようにしています。
 また、地元食材の製造メーカーさんたちのパワーは外せません。当店の場合、大手スーパーさんとは違い地元のメーカーさんが棚まで来てくださり、棚の中の売れ方など意識して品出しをしてくれます。 メーカーさんも棚を見て「今日は売れたかな~」と一喜一憂してくださる姿は“お店と一体”なんです。 こういう気持ちが本当にありがたいです。
 実はね、つい最近まで手書きの伝票でしたが、去年からiPadで受発注ができる仕組みを作りました。苦手な方も苦心しながら協力して一緒に取り組んでくださるんです。

厚い信頼があるから、みなさん協力してくださるのですね?

それもあるかもしれませんが、この土地の特徴が“協力する文化”だからかもしれません。 飛騨は豪雪地のため昔から常に助け合わないと一人では生きていけない土地です。お年寄りへ声をかけ無事を確かめたり、雪かきは自分が止めると交通も全部止まってしまう。 だから“助け合う”というスピリットがどんな場合でもあると思います。「あいつがやるなら仕方ないな」という感じかもしれませんが(笑)

今一番力を入れていることは何ですか?

 自分達で作る商品や製造元さんと一緒に作った商品などがある中で、商品に込められた『思い』をどんどん紹介していくことに力を入れたいです。 『売れる』というより、製造があって、売る人がいてお客様が喜んでくださる、そういう商品を提供していきたいんですよ。
 例えば、何かにこだわっている農家さんがあれば、当店をそのこだわりを紹介する“場所”にすることで地元を大事にやっていきたいと思っています。

観光で高山へいらっしゃる方へ一言お願いします

 飛騨の食文化を体験したければ地元密着のスーパーに寄っていただいくことが“ツウ”な観光の仕方ですよとお勧めします。高山のスーパーならではの雰囲気や山菜のような 季節限定商品の品揃えの多さ、 商品の陳列方法に工夫をしている点にも注目して頂けたら、本当の高山食材を実感して頂けると思います。これからも、より地元の食材や地域性のある 商品の品揃えをしていきますので、観光へお越しの際はファミリーストアさとうに寄っていただければ嬉しいです。


リピート率№1の
「あげづけ」

秘伝の味付けが大好評でそのまま焼くだけ。おかずはもちろんおつまみや子供のおやつにもなり高山の食卓に欠かせない一品。

ファミリーストアさとう売れ筋5大商品
「豆つかげ」
「あげづけ」
「山家のけいちゃん」
「めしどろぼ」
「飛騨清見ソース」





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