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飛騨高山の魅力は?
奥深さがあるところですね。高山は、陸の孤島だったが故に古いところが残っていて、凝縮された文化を持っていると思います。
飛騨は木との生活が残っていて、ここで働く人たちの姿は更に魅力的です。夏は野菜を作っていたりする顔、木を切っている人たち、草を刈っている人たちなど、自然と共生している人たちの姿はとても良いと思いますね。
観光は、文化の土壌の上ではじめて成り立つ面があると思います。ここで働く人たちがいて文化が引き継がれていることが魅力になっていると思います。都会に出て戻ってくる人も多いですしね。
どうして戻ってきたくなるのでしょうか?
ひとつは空気じゃないかな。東京でも一日歩いて、喫茶店に入っておしぼりで顔をふくと黒くなったりするけど、山に一日中入ったってあんなに黒くならない(笑)
都会に行っていろんな体験をして、その間、我々はきちっとここの良いところを残しておけば必ず戻ってくるんです。それが観光でも魅力になっているかと思います。
高山の魅力、何度訪れても発見があるというところは?
体験していただきたいところがいくつかあります。
乗鞍岳は主峰 剣ヶ峰3026mをピークに2500m以上の標高の岳を23峰有する場所です。
高山植物や雷鳥を観ることができますし、標高2702mまで車で訪れることができるのは日本一で高山帯での貴重な体験ができますよ。
五色ヶ原の森は乗鞍火山の溶岩流が形成した台地で、比較的開発の波にさらされずに取り残されてきたために自然度の高い貴重な植生と、懐深さに由来する豊かな生態系が保たれている自然の宝庫です。
入場者数規制も設けてガイドがいないと入れないようになっていることも功を奏しています。
ほうのき平スキー場は県下屈指のスキー場で、乗鞍の岳降ろしの環境は北向きの斜面のため、良質の雪質を保ち、多くのスキーファンが集うところです。全日本スキー連盟、FIS(国際スキー連盟)公認の
コースを完備していて冬のスポーツを楽しむのには最高の場所だと思います。
丹生川町(にゅうかわちょう)という町があります。この町の生活や人、景色や農林業を営む農山村風景は、それは素晴らしいです。地元の人間でもそう思います。
ここでは自然の恩恵との共生を観ることができます。農業、林業、観光業に働く人の姿があって、出会った人と言葉を交わすと心が通じ、ホッとする町です。水、光、風、自然環境の良いことが実証されている気がしています。
本当はここに来ていただいて体感していただくと、わかっていただけるのにと思いますね(笑)。
今一番力を入れていることは?
水を守れば世界を制す、という考えで自然環境のことに一番力を入れています。飛騨高山から川が生まれます。上が荒れると下流や河口、海の植生にも影響があり、全部つながっていますよね。
私たちも含めて生を成すものすべてが自然の恩恵で成り立っています。環境の良いところは何もかもが美しいです。人も自然も。自然はすごく優しいところもあるし、
その反面、すごく厳しくなることもある。人と似ていますね。
その自然環境の恩恵と共生の価値観で誘客し、地域振興に力を注ぎたいですね。
・(左)乗鞍(お花畑)
・(右)五色ケ原の森(横手滝)
※飛騨高山写真ライブラリーより