飛騨産業株式会社 代表取締役社長 岡田贊三様

「わが社のダイニングチェアが”2014グッドデザイン賞 金賞”に選ばれたんですよ」栄えある受賞に心から喜んでいるご様子の、岡田贊三様にお話しを伺いました。

「今回、グッドデザイン賞 金賞をいただいたダイニングチェアは杉を圧縮して作ったものです。 さらに今年は、わが社の職人が”現代の名工”に選ばれたんですよ」世界初の杉圧縮柾目材の技術を活用したダイニングチェアを見せていただきました。

「律令時代には(7世紀~10世紀ごろ)、それ以前から飛騨にあった優れた木工技術を利用したい大和朝廷が、飛騨から木工技術者を呼び寄せて都作りを進めていった経緯があります。都の建築物は飛騨の匠の技術で出来ているわけですが飛騨高山には都と同じような神社仏閣が沢山あります。古代は飛騨が文化の中心地で栄えていたという説があるくらいです」飛騨の奥深い歴史を熱く語られる姿から、飛騨の匠の信頼の技術を1000年以上継承している一翼を担っているという誇りを感じました。

飛騨高山のここが魅力、何度訪れても発見があるというところは?

私がお勧めするのは、高山市民がよく散歩している城山(しろやま)ですね。高山城のあった場所です。 あそこには本当に大きな木や広葉樹など沢山あり、実は南から北まで日本中の小鳥が一堂に集まる稀有な場所で最も自然豊かなところですよ。観光スポットという感じではないかもしれませんが、お時間があれば是非歩いてほしいところです。

実は高山は不思議な自然環境のところで、太平洋側、日本海側、東日本、西日本全部の分布の分水嶺のようなところ。神社も伊勢系と出雲系が分かれていて高山市内の北は出雲系が多く、高山の南は伊勢系が多い、高山の旧市街地はどちらもミックスしているという場所ということも面白いと思いませんか。

高山に来られるときに高山の歴史や文化といった側面からも見ていただけると建物なども見え方も違ってきて気づきが多いと思います。 造り酒屋がこれほど沢山あるのは高い水準の文化があったということだと思いますよ。食も本当に豊かな土地。ぜひ3回は訪れていただきたいですね。例えば今回は建築物、今回は食というようにテーマを持っていただけると良いと思いますね。

今一番力を入れていることは?

杉は素晴らしい木。国産材の杉を活用することに今最も力を入れています。
奈良の正倉院には1300年前から伝わるものが檜ではなく杉の箱に入れてあるんですよ。杉と檜は対で使うと素晴らしい効果を発揮することが分かってきています。杉はクリプトメリア・ジャポニカと言います。ラテン語で「隠された財産」という意味です。研究をすると空気の浄化、湿度の調整、抗菌性のほかにも安らぎを与える力などわかってきています。
杉の木の活用をもっと進めて良いデザインと共に杉の木の効用も研究を進めながら、良い商品を提案して気に入っていただき、長く使っていただくという良いサイクルができるようにと考えています。


  • 飛騨産業株式会社
  • 住所 〒506-8686 岐阜県高山市漆垣内町3180 
  • 0577-32-1001(代表)
  • http://kitutuki.co.jp


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